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有能な支配者になれるサイコパスの資質
精神病変と捉えるか特性と捉えるか
サイコパスは一般的に精神病変として捉えられており、事実として一般的な現代社会を構成する人間の思想及び脳構造とは異なる特徴を有しています。
しかし他の精神疾患がそうであるように、サイコパスを精神病変と捉えるか特性と捉えるかという議論はなされるべきでしょう。
現在におけるサイコパスの定義としては他人への良心や親愛の情に欠ける、尊大で自信家である、表面的な魅力に長けるといったものが挙げられていますが、これらは見方を変えれば良い特性になり得ることがあります。
特に政治家や企業の最高経営責任者としては極めて優れた資質であるとも考えられ、歴代アメリカ大統領の中でも有能とされるジョン・F・ケネディやビル・クリントン、セオドア・ルーズヴェルトはこうした傾向があったとされています。
使い方を誤れば危険な犯罪者になり、正しく使えば民を導く有能な支配者になる、そうした特徴が彼らにはあるのです。
なぜ有能な支配者になるのか
ではどうしてサイコパス傾向を持つ人物が有能な支配者になるのかというと、これは「他人のことを思いやらずに意思決定ができる」ということが最も大きい理由であると言えるでしょう。
例えば倫理学における思考実験の一つとしてトロッコ実験と呼ばれるものがあります。
これは現在走っているトロッコの制御が出来なくなりこのまま進めば作業員5人が死ぬ、しかし自分の目の前にある線路の分岐器を動かせば5人を助けることができ、分岐した先にいる1人の作業員が代わりに死ぬという倫理の問題です。
単純な数学でいえば最適解となるのは分岐器を動かし、5人を助けて1人が犠牲になる選択をすることです。
通常の人間であれば悩みに悩み抜いてどちらかの答えを出しますが、サイコパスの場合は即座に分岐器を動かすことができます。
なぜならば他人というのはサイコパスにとって命のないマネキンが砕かれるのと同じだと考えるからです。
数学的に正しい選択を躊躇なく選ぶことができる、言い換えれば自分にとっての最適解のために他者をいくらでも犠牲にできる、残酷ではありますがこれこそが支配者として有能な人物になれる資質なのです。
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