サイコパスには誰もがなりうることを示したアイヒマン実験

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サイコパスには誰もがなりうることを示したアイヒマン実験

サイコパスは一部の特殊な人々か

サイコパスは反社会性人格障害などと呼ばれ、ごく一部の特殊な人だけの症状と考えられています。サイコパスは普通の人が持っている共感性や善意を持つことができず、他人を傷つけたり殺したりしても良心の呵責を感じないと言われています。このような状態が常に続くのであれば、確かに特殊な人と言うことができます。

 

しかしサイコパスと同じような状態には、誰もがなりうることに注意しなければなりません。人は閉鎖的で緊張した状況に置かれたとき、無条件で権威者の命令に従う傾向があります。命令さえあれば、どんなに無慈悲なことでも平気で行ない、ときにはその行為に喜びを感じることさえあります。

 

アメリカのイェール大学で行なわれたアイヒマン実験(ミルグラム実験ともいう)は、そのことを明確に証明するものです。

 

アイヒマン実験の概要とは

実験は教師役と生徒役に分かれ、用意された問題を生徒役が解きます。答が間違っていたとき、教師役はスイッチを入れて生徒役に電気ショックを与えます。間違いの回数が増えるほど電気ショックは強くなり、ついには生徒役が絶叫して苦痛を訴えるほどになります。教師役は実験を中止することもできます。しかし権威のある指導者が実験続行を促すと、ほとんどの教師役は命令に従ったということです。

 

アドルフ・アイヒマンは数百人のユダヤ人虐殺に関わったナチスの幹部ですが、戦後は平凡な小市民として隠れて暮らし、サイコパスの傾向はなかったと言われています。これは人格的な障害がなくても、サイコパスには誰もがなりうるということを示唆しています。特殊な人のことだから関係がないと考えず、自分のこととして気をつける必要があります。

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