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サイコパスを検査で見つけることは不可能なのか
サイコパスは検査で発見できるケースもある
反社会的人格を有し犯罪傾向を強く示す精神病変を持つ人を総称する言葉が「サイコパス」となっていますが、現代の医学においてはある程度検査による事前の発見が可能となっています。
現在主に運用されている診断基準はPCL-Rと呼ばれているもので、ここには20の項目が設けられた上でそれぞれに対して0〜2点の点数を与えて行きます。
一例を挙げると口達者で表面的な魅力を有しているか、刺激を求め退屈しやすい性質であるか、良心の呵責や罪悪感が欠如しているか、衝動的な傾向は無いかといったことがあり、20の項目すべてに点数を割り振った結果、成人で30点を超えている場合にはサイコパス傾向が強い人物であると診断されることになります。
子どもの場合は27点がボーダーラインとされており、こうした点数を超えている場合には少々警戒するべきと言えます。
検査が出来ても対策になるとは限らない
しかしここで問題になるのが検査が出来たからと言ってそれが対策になるとは限らないという点です。
例えばある人がPCL-Rのテストを受けて35点のスコアを出した場合、精神医学的にはサイコパス傾向が強い人物と診断することになります。
ですが「あなたはサイコパスの傾向があるため隔離します」といった扱いが社会的に認められるのかと言えばそれは不可能でしょう。
確かに診断の結果としてはそうした扱いが検討できるように見えますが、裁判を控えた精神鑑定でも無い限り相手はまだ犯罪を犯していない一般市民です。
罪の無い一般市民をPCL-Rというテストの結果だけで社会から隔絶するというのは特定の特徴・国籍を持つだけで刑の対象としたファシズムと変わらず、現代の世界においては重大な人権侵害であると判断されます。
よってサイコパスの検査というのは不可能ではないものの、その結果を即座に社会に反映するのは不可能であるとなっているのです。
とは言え放置していて犯罪が起きるリスクを大きくするのも考えものではありますから、このバランスを如何に取っていくかというのは社会的な課題であると言えるでしょう。
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